2006年1月29日(日)

「雲のむこう、約束の場所」

雲のむこう、約束の場所

「雲のむこう、約束の場所」の小説版。 映画のノベライズものってあまり好きではないのですが、amazonでの書評が「思いのほかよかった」という感想が多いのと、塔から帰ってきたあとに何が起きたのかを知りたかったこともあって読んでみました。

映画を見たときに不満に感じた、ヒロキの東京での高校生活がきちんと描かれていたのはよかったです。特に映画でも一瞬出てくるヒロキの女友達の水野理佳の存在は、どうしようもなく暗い話の唯一の救いだったように思います。しかし、肝心の塔から帰ってきてからの話は、正直読まなきゃよかったと思いました。暗いし、救いがない。ヒロキ以外のひとたちは、望まない離別があったとしてもそれぞれ進むべき道に進んでるように思える(サユリですら!)のですが、ヒロキ自身は物語冒頭で描かれたように青森に帰って廃駅の格納庫に足を延ばして感傷に浸っているわけで、結局そこから何も進んでないのですね。えろげにありがちなダメ主人公を彷彿とさせるものが(苦笑)。

ま、そんなこといいつつこういう暗い話が好きな自分も自分ですが(汗;。。。

しかしながらサユリの味付けは趣味全開ですな。バイオリンが弾けて宮沢賢治とか文学方面に明るくて、可愛くてしかも自分の魅力に無自覚(←ここ重要)。次も期待。