読書日記(ぶらんこ乗り)
by 鈴木 宏枝
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ぶらんこ乗り(ぶらんこのり)
原題(N/A)読んだ日2001.8.5
著者いしいしんじ(いしいしんじ)訳者(N/A)画家(N/A)
出版社理論社出版年月日2000.12原作出版年(N/A)
感想 ずっと、鬱陶しい話だなだと思って読み進めていたのだけど、本当に最後に近いあたり、弟の最後のおはなしの下書きの場面で、きゅいーんと評価が急上昇した。すごい。
 彼岸と此岸から引っ張られること。つぶれた声と、動物の物語。姉への愛情と、それを今思う独白。シンボリカルな要素がいっぱいあり、本を読むというより、静かな演劇を見たような印象である。現実世界と一番つながっているおばあちゃんが、作品世界を確かなものにしている。
 不安定感と、胸がつぶれるほどの思いというのは、やはり現代ゆえにリアルに感じるのだろうか。物語をひっぱる「指の音」(犬)にも、詩情がある。


鈴木 宏枝
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