読書日記(雨ふりマウス)
by 鈴木 宏枝
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雨ふりマウス(あめふりまうす)
原題(N/A)読んだ日2000.11.19
著者竹下文子(たけしたふみこ)訳者(N/A)画家(N/A)
出版社アリス館出版年月日2000.5.15原作出版年(N/A)
感想 池を埋め立て、ヤナギの木を切って造成した土地に立った6軒の建売住宅。そのうちの一つに引越してきたミキトには、ヤナギの精と三匹の雨ふりマウスが見える。
 自然破壊はんたぁいとか叫ぶ本ではありません。すべてがありのままに描かれています。ユーレイとかたたりを持ち出して、ミキトをからかう、なんとなくとぼけた美人のヤナギの精と、『やまなし』を思い出させる雨ふりマウスがいい味を出していて、おろおろしたり、ふりまわされたりするミキトも、オトコノコっぽいなぁなんて。ストーリーラインではなく、ディテールがおもしろい作品かもしれません。ぞくっとしたのは、ヤナギの木の家とミキトの今の家が重なっているところ。こういう重なり感を、私はけっこうリアルに感じる。


鈴木 宏枝
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