読書日記(羽がはえたら)
by 鈴木 宏枝
[WebSite] Hiroe's Home Sweet Homepage

羽がはえたら(はねがはえたら)
原題Wings Tuen and A Thought About Thirsty読んだ日2000.9.26
著者Uri Orlev(ウリ・オルレブ)訳者母袋夏生画家(N/A)
出版社小峰書店出版年月日2000.6.14原作出版年(N/A)
感想 思いがけず、すごく素敵な本に出会えた。表題作の「羽がはえたら」もいいし(パジャマを後ろ前に着るところ、お父さんが手羽からレバーに気持ちを変えさせるところ)ほのぼのとした家庭のリアリティが感じられる。けんかをするだけ仲のいい兄弟っていいなぁ。猫と小犬の話もよかった。お母さんは、子どもやお父さんとまっすぐ向き合っているし、「語り方」がうまい。一番好きなのは、原題のタイトルにも使われている「のどがかわいた」。子どもの頃に、山道の湧き水を飲んでいる「つもり」でお風呂の中で水を飲んで、それがまたのぼせて乾いた喉においしくて、という記憶がフラッシュバックした。好きな子は、水の飲み方が素敵な子。「かけっこ」もいい。空想を現実にできる何かかっとんだ力が、見つめるミハエルとその先のお姉さんにつながっている。
 挿絵もよかった。翻訳も読みやすい。


鈴木 宏枝
[Mail] hiroe_ms@nifty.com

$Id: books.cgi,v 1.42 2010/09/23 08:35:15 yasutaka Exp yasutaka $