読書日記(モンシル姉さん)
by 鈴木 宏枝
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モンシル姉さん(もんしるねえさん)
原題(N/A)読んだ日2000.7.19
著者権正生(クォンジョンセン)訳者下記子画家(N/A)
出版社てらいんく出版年月日2000.5.10原作出版年1984
感想ややもすると危険な題材なのに、とてもおもしろかった。政治のこと、南北関係の悲劇のこと、日本・アメリカ・ソ連と、朝鮮半島とのかかわり。その中でけなげなヒロインというのは、感傷に陥りがちなのに、この場合は、モンシルの強さと優しさが生きていて、文学として(?)ひきこまれ、あっというまに読めた。日本の戦争児童文学(?)との比較もおもしろいかもしれない。お母さんとの関係、お父さんとの関係、また大きくなってからの兄弟の関係。家族は、日本では想像もつかないほど大きな意味を持っていそう。また、近い国でありつつ、大陸らしい豊かな感情表現などに、地域性を感じる。翻訳で読む以上に、原作が持つ力というのは大きいのだろうが、とにかく翻訳で読めて、うれしい。


鈴木 宏枝
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