みねこさんの読書日記(ジェイスン荒海をいく)
by みねこ

ジェイスン荒海をいく(ジェイスンあらうみをいく)
原題JASON読んだ日2005.3.14
著者Joyce Stranger(ジョイス・ストレンジャー)訳者前田三恵子画家式部本一郎
出版社あかね書房出版年月日1976.9原作出版年1970
感想
飛行機事故で妻と娘をなくしてすっかり意固地になり共に残された息子に目を向けようともしないヘイミッシュ。農場の跡取としての人生を選ばなかった父に対して息子のダンカンは生き物と交歓しあうことのできる根っからの農夫。父との交流もないまま育ってきたダンカンのもとにラブラドール犬とマスチフ犬の雑種であるがゆえに素晴らしい資質を備えているのに冷たい仕打ちにあってきた犬のジェイスンがやってきます。

かたくなだった父は嵐の夜の遭難という不慮の出来事にさらされて、自らをふりかえり、息子との今後を希望を持って考えるようになります。犬のジェイスンが渾身の力をふりしぼってヘイミッシュを救い出そうと荒れた海をわたり、ダンカンの通う学校の寄宿舎にたどりつくくだりには心うたれます。

輪郭のはっきりしたオーソドックスな物語の持つ力を感じた1冊です。


みねこ
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