みねこさんの読書日記(ドアーズ)
by みねこ
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ドアーズ(どあーず)
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原題 | The Double Life of Zoe Flynn | 読んだ日 | 2005.1.11 | ||
著者 | Janet Lee Carey(ジャネット・リー・ケアリー) | 訳者 | 浅尾敦則 | 画家 | (N/A) |
出版社 | 理論社 | 出版年月日 | 2004.12 | 原作出版年 | 2004 |
感想 | 終始、父親の失業によって住み慣れた家を売り、故郷を離れることになったゾーイの苦難を書いた作品。ゾーイの家族は書店をたたみ、大学の教職も失った父親の職探しのために引っ越すことになるのだが、当初の何ヶ月かをワゴン車の中で寝泊まりして過すことになる。設定にどうにも腑に落ちない点がある。この家族、借家を借りるための初期費用、家賃2ヶ月分がなかなかつくれずにいるのだけれどそこに至るまでに持ち家を手放し、ガレージセールを開いている。これらのお金は、どこにいったのだろう?共同経営していた書店に債務があったのだろうか。それとも…。ゾーイの身のまわりのいろいろな出来事はベタな感じで連綿と書かれているのに、ゾーイの苦境の原因となった「住む家がない」という状況が、どうして引き起こされたのかについては何の言及もないのが不思議。 書かれてはいないけれど、やはりワゴン車での生活をせざるをえない事情というものがあったに違いない、としても、人目だけを気にして、育った街と、育った家の隣りに住んでいた幼ななじみに執着し続けるゾーイには共感を覚えない。 |