みねこさんの読書日記(ティーパーティーの謎)
by みねこ
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ティーパーティーの謎(てぃーぱーてぃーのなぞ)
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原題 | The View from Saturday | 読んだ日 | 2005.1.8 | ||
著者 | E.L.Konigsburg(E・L・カニグズバーグ) | 訳者 | 小島希里 | 画家 | (N/A) |
出版社 | 岩波書店 | 出版年月日 | 2002.6.5 | 原作出版年 | 1996 |
感想 | これまで何回か読んだ経験から、複雑にからみあった登場人物たちの関係を把握していないと、物語の機微を味わえない場面がでてきたりするのではないかと思い、4人の6年生を中心に家系図と相関図を描きながら読んでみた。 それでも40P付近までの読みにくさは相変わらず。 にもかかわらず、この物語が私を惹きつけてやまないのは、人と人とが真に出会うことの意味、人を生かし、生き生きとさせる場所の存在、そこに関わる素敵な大人がそこここに見られるぎこちない日本語を凌駕する魅力を持ってノア、ナディア、イーサン、ジュリアンの集う土曜日ごとのティーパーティーとして描かれているからに他ならない。 「第3の場所」を持つことの意味、持てることがもたらす 恵をこのシリントン荘での「ティーパーティー」ほど生き生きと描いた作品を私は知らない。4人が「博学競技大会」で勝ちあがっていく様子と、そこでの設問にまつわる4人の経験から、彼らの持っている問題や興味、家庭環境までもが浮かび上がってくる構成は見事。オリンスキー先生が深層にかかえもってきた問題をも、彼女がティーパーティーに参加する場面で浮き彫りにしてみせるあたりもこころにくい。 |