1月 6日(木)

新春観劇 NODA・MAP「走れメルス」@シアターコクーン

前回公演同様、夢の遊民社時代の作品(なんと初演は1976年)の再演。次から次へと繰り出される言葉遊びそれ自体がメインだったけど、戦後の日本の軌跡とはいったいなんだったのかという思索も登場するモチーフの端々に見え隠れしていたように思う。この作品を観てから「オイル」を思い返すと、すでに1976年のときに原型は出来上がっていたのね、と思わざるを得ない。いやはや。

惜しむらくは中村勘太郎のセリフが聞きづらかったこと。声をつぶしそうだったのか、いまいちセリフのスピードに口が追いついていない感じ。それに比べて深津絵里は相変わらず完璧でした。すばらしかったです。

1月 9日(日)

西伊豆へ

諸般の事情により長距離ドライブはお預けになっていたのだけど、時間ができたこともあって306オーナーのY氏を誘って西伊豆方面へ走りにでかける。

東名の沼津I.Cで降りるつもりが通り過ぎてしまって富士I.C.から戻って西伊豆の海岸沿いを南に下るルート。天気が良く富士山もよく見えたけど、とにかく風が強かったです。途中、堂ヶ島の沢田公園露天風呂に立ち寄る。海岸の断崖絶壁の上にある湯船は寒風吹きさらし状態でゆっくりする間はなかったけど、伊豆でこれだけ野趣に溢れる温泉に入れるとは思ってなかったので満足でした。

露天風呂の小屋からの眺め。

露天風呂全景。小屋が脱衣場。ついたてのところが湯船。定員5名?

むぎさん : 2005年01月12日 01:19

沢田公園、良かったですかー。
昔バイクで通りかかったけど、寄れなかったのでした。
伊豆では私は、東伊豆の今井浜温泉の露天風呂が、眺めもお湯も大好きだったりします。久々に行きたくなってたり。

YUPPEさん : 2005年01月12日 08:18

あ、そういえば一昨年くらいに沢田公園に行きました。意外と風呂が小さかったですね(笑)。

じょばんにさん : 2005年01月12日 13:31

どうもですー。
伊豆の温泉というと立ち寄りでも立派なイメージがあるので、あまりの何もなさ(笑)が気に入りました。混んでる時期に行くと大変そうですけど。

1月30日(日)

「九年目の魔法」(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ・東京創元社)

九年目の魔法

ハウルの原作「魔法使いハウルと火の悪魔」は正直面白くなかったのだけど、ダイアナ・ウィン・ジョーンズだったらこっちの方が面白いという奥さんの薦めで読んでみた。

全篇がカットバックで、物語の本筋が語られ始めるのは半分を過ぎてからという構成はちょっと我慢がいるところだけど、主人公の女の子ポーリィは魅力的に描かれていて、楽しめました。ファンタジーというよりは少女小説+ミステリといった方が正しいのかな。解説を読むとダイアナ・ウィン・ジョーンズが描きたい女の子像というのがわかって興味深い。頑固で直情的だけど自分を客観的に見る目ももっていてサバサバしたところもある、そんなような。

ハウルのソフィーが原作でどう描かれていたかはよく思い出せないのだけど、そこから想像するに映画のソフィーは健気すぎる。あれは完全に宮崎さんの味付けなんだろうな。もっとハウルを突き放すぐらいの描かれ方をしていたら、映画も全然違った魅力を持っていたかもしれないと思うと惜しい。まぁいいけど。

ここしばらくで読んだ本

「夜のピクニック」(恩田陸・新潮社)

夜のピクニック

高校生ぐらいの行事の想い出というのはどうしてこれほどまでに美しいのだろう。たまにこういうどうしよもない青春小説というのを読んでみたくなる。恩田陸はその思いに応えてくれる数少ない作家のひとりだと思う。最近出た「蛇行する川のほとり」も読んでみたい。

「戦争と平和 それでもイラク人を嫌いになれない」(高遠菜穂子・講談社)

戦争と平和 それでもイラク人を嫌いになれない

昨年の夏ぐらいだったろうか。日経ビジネスの「敗軍の将 兵を語る」というコーナーでなぜか高遠さんへのインタビュー記事が載っていたのが気になって本を読んでみた。内容の確度や主張の是非は多々あれど、繰り出される言葉の持つ力は行動に裏打ちされているだけあって踏まれても決して折れることがないように思う。
印象に残ったのは監禁された家にいた老人と少年のこと。まったく見ず知らずの異人を家に迎えて寝食を供するというのはどういう気分だったんだろうか。